igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「霧越邸殺人事件」(再読) 綾辻行人



霧越邸殺人事件 綾辻行人

信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」。訪れた劇団「暗色天幕」の一行を迎える怪しい住人たち。邸内で発生する不可思議な現象の数々……。閉ざされた“吹雪の山荘”で、やがて美しき連続殺人劇の幕が上がる。緻密な推理と思索の果てに待ち受ける驚愕の真相とは!?



これも久々に読みました。
さすがに自分で買った本だけあって面白かったです(笑)

確かに霧越邸の住人からしたら迷惑この上ない事件だったかも。
吹雪で遭難しかけている劇団のメンバーを泊めたら
殺人事件が起きて。しかも連続。

本当に追い出してしまいたくなる気持ちもわかります(笑)

犯人っぽい人が犯人だったかなー。
わたしの印象です。
他の人にとっては違うかも。

3番目の殺人の動機が本当に意味不明でよくわからない。
なんなんだろう?>犯人。

辻村深月さんって、大の綾辻さんファンで、自分のペンネームの「辻」を
綾辻さんの「辻」からもらったとありましたが、この本には深月という
それはそれは美人な登場人物がいまして・・・
深月はもしかして彼女からとったのか?
と思ってしまった。

実際「見立て殺人」って現実で絶対誰もやらないと思うけれど、
だからこそ、フィクションの世界で読むと面白いなぁーと
思いました。

「シェエラザード」(再読) 浅田次郎



シェエラザード 浅田次郎

昭和二十年、嵐の台湾沖で、二千三百人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていくー。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。



元々それまでやってた日記ブログの他に「読書ブログ」を作ろうとしたのは
このシェエラザードを再読するというのもひとつの目的でした。
なので、読書ブログの目的を達成してしまいました。
明日からどうしよう(´・ω・`)


・・・まぁそれは置いておいて、大好きな本です。


今まで2回読みました。
2回とも泣きました(TдT)
なので、3回目もおそらく泣くだろうと、会社じゃ読みづらいよなぁ。
なんて思ってましたら休みの日に一気読みできた(・∀・)


もう、泣くシーンでもないのに「土屋」っていうワードでもう泣ける(TдT)
毎回恒例、土屋と高松の再会シーンでは溢れんばかりで・・・(^^;)


宋という台湾人に「弥勒丸を引き上げてくれ」と依頼される軽部たち
現代の章と、実際の弥勒丸にかかわった人たち、昭和20年の章。


読み返してみると意外に昭和20年の章が少なかった。
その分印象は強い。


宋によって動かされた「財界」「政界」そして「ヤクザ」
軽部とともに行動することになった律子。
次々と出てくる当時の関係者。


「絶対」攻撃されないはずの弥勒丸がなぜ4発の魚雷を浴びてしまったのか。
3発までだったら沈まない設計だったのになぜか。
その答えは350ページ以降にあります。


ここからはネタバレ


ターニャを連れて船の中を歩いていた正木。
そこに整備士のロクさんが船の構造について自慢するわけです。

船乗りにとって船というのは「彼女」なので、自慢の対象です。


そこにいたのは正木とターニャとそしてロシア語が分かり、途中からターニャの通訳になった留次。
3発くらっても沈まないと説明され、留次が通訳し「ダー」と嬉しそうだったターニャ。


そして、ターニャはシンガポールで引き渡される予定じゃないロシア人に
引き渡されてしまった。慌てて探すももうどこにもいなくて・・・

ということを考えると、拷問とは言わないけれど、誘導で喋らされたのではないかなと思います。
留次も別の人に聞かれて喋ったし。
でも、その聞いた人は「どこかへ寄るのか?」ということを執拗に聞いて
ましたが留次レベルの人(要するに下っ端)には伝わってなかった。


しかし、シンガポールから乗り込んできた陸軍の人たちに船を乗っ取られるような形になった弥勒丸の船員。
シンガポールから上海への移動中灯を消すことになり、それで撃たれる。


でも、森田船長たち乗組員はカッコよかったなぁ。
撃たれようとどうであろうと最期まで船長&船員であったという。
本当にカッコよいです。


弥勒丸乗員の中でたった一人の生き残り。中島さん。


最初はもう少し生き残りの人がいたようですが、救助のボートが敵国のものであると知った彼らは助けてもらわず、反対側に泳いで行って・・・

そのうち一人沈み・・・二人沈み・・・と。

うぅー泣ける(TдT)


でも、弥勒丸に乗らないながらも弥勒丸にかかわった土屋さん。


同じ、戦争を終えた後の生存者で、高松さんみたいに政界に行く人もいれば、土屋さんのように恋人を弥勒丸に乗せてしまった罪悪感をずっと死ぬまで抱えてとか・・・


あぁ~。本当に本当に何回読んでも語りたくて仕方ないです。
大切な本です。

「メルカトルと美袋のための殺人」 麻耶雄嵩



メルカトルと美袋のための殺人 麻耶雄嵩

推理作家の美袋三条は、知人の別荘で出会った佑美子に刹那的に恋をする。しかし彼女は間もなく死体で発見され、美袋が第一容疑者とされてしまった!事件に巻き込まれやすい美袋と、「解決できない事件など存在しない」と豪語する魔性の銘探偵・メルカトル鮎が挑む巧緻な謎の数々。脱出不能な密室殺人から、関係者全員にアリバイが成立する不可能犯罪までー奇才が放つ、衝撃本格推理集。

目次
遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる/化粧した男の冒険/小人〓(かん)居為不善/水難/ノスタルジア/彷徨える美袋/シベリア急行西へ



メルの鬼畜ぶりがよーーーーくわかる1冊。
友人という名の美袋くんは「いつか殺してやる」とメルに対して思ってます(笑)
それでも、何かあるときはメルを頼ったりしちゃうし。
いろいろなものに流されたり・・・あまり意志は強くなさそうな・・・

そしてメルよねー。
事件の犯人は見つけるものの、そこから警察に教えるかどうかはまた別の
話のようで・・・場合によっては教えない。とか。

「自分を見つけてくれ」と幽霊が訴える。
そして見つける。
しかし、教えない。
「成仏したら幽霊が出なくなるから」
とか・・・本当に・・・このひとは・・・(笑)

「シベリア急行西へ」が一番動機がハッキリしていて面白かった。
メルが小説を書いて、美袋に読ませ犯人を当てさせる。
外れたらこのまま「美袋」の名前で小説を出すという「ノスタルジア」
メルの歪みすぎた性格からいって当たるわけがなく。
この小説を美袋の名前で出さなくてはいけないと思うと気の毒
になりました(笑)

「浜村渚の計算ノート」 (再読) 青柳碧人



浜村渚の計算ノート 青柳碧人

「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出したのは一人の女子中学生だった。新時代数学ミステリー。

目次
ぬり絵をやめさせる/悪魔との約束/ちごうた計算/πレーツ・オブ・サガミワン



6月12j日に書いた「再読宣言」より2週間強(笑)
1冊目は渚ちゃんです。
ゆるいんだけれど、数学の知識に関してはやっぱり面白いです。

0÷4 と 4÷0 は数学的に全く違うもので。
0÷4=0 だけれど、 4÷0はあってはならないことだそうです。
言葉で見ると同じように思えるけれど、
「0で割ってはいけない。人類と悪魔との間で交わされた数学史上最も
重要な約束のひとつ」だそうで。

面白い。

あとは円周率とか。
今は一兆桁まで解明されてるとか。

このころはまだ何書いてるか分かってたんだよなぁ。
だんだん巻が進むにつれて何を書いているのかわからなくなっていったという(笑)

それにしてもこのシリーズ登場しなくなったなぁ。
作者さん、燃料切れ??

「情熱の砂を踏む女」 下村敦史



情熱の砂を踏む女 下村敦史

闘牛士になった兄が死んだ。演技で大技に挑んだ末の出来事だった。妹の怜奈は兄の死を悼むためにスペインへと向かう。だがそこで抱いたのは、兄がトラブルに巻き込まれていたのではという数々の疑念だった。なぜ、兄は無謀ともいえる大技に挑んだのか…。真相を探るうち、やがて怜奈は、闘牛の世界に魅入られていきー。著者が15年かけて綴った圧巻の闘牛ドラマミステリー。



面白かったです。
日本人女性が闘牛士になるっていう、なんか・・・予想もしていない話で・・・
下村さんの本は元々読みやすいのもあるので、さくさくっと・・・
それにしても・・・面白い。

まぁ上手く行きすぎ感はあるんだけれど、
それでも、怜奈以外のスペイン人男性たちは闘牛士になるために
かなり苦労もしている。
出たいけれど、チャンスがない。

そして、牛についても知ることが出来ました。
人に慣れてしまうので練習は出来ない。
闘牛が終わったあとの牛の処置とか。

まぁ日本人にとっては、闘牛ってスペインでやる。という以上を
知っている人は少ないとおもうし。
とてもとても、勉強になりました。裏側とか。

怜奈はカッコよかったなぁ。
最初ビビッてたところとかもまた良いと思う。

普通やろうと思わないしね。
闘牛士。

「怖い絵」 中野京子



怖い絵 中野京子

「特に伝えたかったのは、これまで恐怖と全く無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮である」。絵の背景にある歴史を理解してこそ浮き彫りになる暗部。絵画の新しい楽しみ方を提案して大ヒットした「怖い絵」シリーズの原点が、満を持しての文庫化。ドガの『エトワール』、ラ・トゥールの『いかさま師』など全22作の魅力。



面白いです。
日本の歴史もそうだけれど、今では注意してみないとわからない
事が絵から出てくる。

普通の絵に見えるものもたくさん。

しかし、明らかに怖い絵もありました。
子供を喰らう男の絵とか。
怖いよ。
この本に載るまでもなく怖いよ。

本当に1枚の絵から読み取れる当時の歴史、価値観。
ヨーロッパではこういう考えなのかと。
そういう裏の歴史がわかるのは日本でも欧米でも
面白いなーと思ってます。

一見して何の変哲もない絵のほうが怖さがあって・・

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例えばこの絵。
「受胎告知」

これもまた恐ろしいことを書いてました。
こんな感じで盛りだくさん。

「大鞠家殺人事件」 芦辺拓



大鞠家殺人事件 芦辺拓

大阪の商人文化の中心地として栄華を極めた船場。戦下の昭和十八年、陸軍軍人の娘・中久世美禰子は婦人化粧品販売で富を築いた大鞠家の長男に嫁いだ。だが夫・多一郎は軍医として出征し、美禰子は新婚早々、一癖も二癖もある大鞠家の人々と同居することになる。やがて彼女は一族を襲う惨劇に巻きこまれ…大阪大空襲前夜に起きる怪異と驚愕の連続を描き、正統派本格推理の歴史に新たな頁を加える傑作長編ミステリ!



この本で2つ賞獲ったんだよね。
「日本推理作家協会賞」と「本格ミステリー大賞」

昔から読んでる作家さんが注目されるのはうれしい。
あとがきを読むと、最初の段階で担当の方に
「既存のキャラクターを使わないで」と言われたようです。
森江春策とかね。

しかし・・・平田鶴子出てるじゃん(笑)
いや、嬉しいけど。
鶴子、メジャーじゃないから気づかないと思ったか?
気づくぞ。

大阪弁が難しくて。
最初はほぼほぼ大阪弁だったので読みづらくて大変でした。
美彌子登場してからようやく言葉が標準語になって
読みやすくなりました。不思議だよねー。
「おらおらでひとりいぐも」は平気で読めるのにね。

探偵という職業は「〇〇〇〇」と書いてまして。
なるほどなぁ。とそういわれるとその通りで。
「探偵ですから」と言うと、そういう場面でも許されてしまうというのが
不思議な職業です。はい(笑)

大阪商人の詳しい実情がわかって興味深かったです。
読書メーターでほかの人の感想が「ブラック企業で働く丁稚」
みたいな書き方してて。確かに丁稚は大変です。

「痾」 麻耶雄嵩



 麻耶雄嵩

忌まわしい和音島の殺人事件の後遺症で記憶喪失になった如月烏有は、記憶をとり戻そうと寺社に連続放火。すると焼け跡からは焼死体が発見される。その彼のもとに「今度は何処に火をつけるつもりかい?」と書かれた手紙が届く。烏有は連続放火殺人犯なのか?名探偵メルカトル鮎が真相に迫る新本格ミステリ



面白かったです。
前回この本を2017年に読んでいるわけですが、
その当時は、「翼ある闇」も「夏と冬の奏鳴曲」も読んでなくて、
「意味がわからない」と書いてました。

その通りだと思う。
順番に読んでも理解するのが難しいのに、なんでまた
よりによって「」だけ読んだのだろう?当時の私。

今回は日を置かずに読んだので面白かった。
でも謎だったよなー。なんで”桐璃”と強調して書いて
たんだろう?偽物かと思ったよ。

そして、自分の作品のネタバレを堂々と書く作家(笑)
「翼ある闇」のラストを堂々と書いとるww
わたしは読了後だったので良かったのですが・・・
ネタバレサイトで指摘しているのを読んで
「なるほど・・・確かによろしいものなのか?」と
思ってしまいましたが。

今回もネタバレサイトに直行しました。
でも、この本はかなり難解なんだろうねー。
事件そのものは割と単純ながら、
簡単に割り切れないものもたくさんありました。

「夏と冬の奏鳴曲」 麻耶雄嵩



夏と冬の奏鳴曲 麻耶雄嵩


二十年前に死んだ美少女を偲び、孤島「和音島」に集う男女を襲う惨劇。今も彼女の影が支配する島で、雪が降りつもった夏の朝に、首なし死体が発見される。雪密室を皮切りに島の均衡は崩れ、暴走が始まる。ラストの大破局、メルカトル鮎のとどめの一言。発表当時から話題騒然の超問題作が新装改訂版で登場!



現在麻耶さんにハマってますゆえ・・・

読んだ後に「ネタバレサイト」に走るのはお約束です。
じゃないと多分半分も理解できないと思う。

今回もまたそういう本です。

っていうか、ネタバレサイトの人、ミス研の人らしいけれど、
何時間も討論するみたい。
すごくうらやましい(笑)

「和音」という神さまともいえる女性の二十周忌。
その為に集まった元の仲間たち。
同窓会の取材に同行した烏有(うゆう)と女子高生の桐璃(とうり)

そしてお約束のように起こる殺人・・・
これ、メルカトルシリーズらしいんですけれど、
メルさん、ラストの2ページにしか登場しなくて(笑)
行で表すと4~5行??

こんな分厚い本なのに、4~5行くらいしか登場しないのに
メルカトルシリーズ??
謎すぎるww

しかし、面白いなぁ。
1回読んで理解できないけれど、世の中に理解している人が
いるということが面白い。

つづいて続編の「痾」に進みます。
もう止まらん(笑)

「競争の番人」 新川帆立



競争の番人 新川帆立

ウェディング業界に巣くう談合、下請けいじめ、立入検査拒否。体育会系直情女子と毒舌系天才キャリアの凸凹バディが、はびこる悪を成敗する!



面白かったです。
こちらの主人公は流されやすい人みたいで、
仕事は公正取引委員会っていうカッチカチなんだけれど、
母親が心配性すぎて、自分の夫が仕事中にケガをしたとき、
それまで白熊楓も警察志望だったけれど、母親が叫んでわめいて
警察になるのを辞めさせたという・・・
で、公正取引委員会になったんだけれど。

彼氏ともなんかハッキリしない状態なのに、結婚の予定ばかり
進んでいく。

そんな白熊。

面白かったです。公正取引委員会も警察みたいなものだなと。
足で証拠探さないといけないから。

小勝負くんも結構わかりやすくていい味出してたんだけれど、
鈍すぎる白熊には通じないのかも。

しかし、ここまで母親の毒がまわってしまった白熊も
気の毒であります。
転勤はいいキッカケになるのかも。

シリーズになったらまた読んでみたいです。
前向きになった白熊のその後を知りたい。