igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

「粗忽長屋の殺人」 河合莞爾



粗忽長屋の殺人 河合莞爾

伊勢屋の婿養子がまた死んだ! 婿をとったお嬢さんは滅法器量よし、お店は番頭任せで昼間から二人きり。新婚は、夜することを昼間する、なんざ、それは短命だ……。ところがご隠居さん、次々に死んだお婿さんの死に方を聞くと、何やら考え始めてーー。(「短命の理由」)古典落語の裏側に隠れていた奇妙なミステリー、ご隠居さんの謎解きが始まる!




落語調です。
落語、全然知らないので、古典落語が本当なのかどうなのか。
まぁ登場人物に関しては冗談みたいな人ばかりで、
多少、ドン引いてしまったのですが、2話目以降になると
こういう展開に慣れてきたせいもあって、4話目になると
声出して笑った。


江戸時代なのに、時事ネタぶっこんで来るし。
そのネタが全然ハッキリ書いてないんだけれど、明らかに
野々村元議員の号泣会見(爆)

全然書いてないんだけどっ!!

これ出してくるんだーと笑っちゃいました。


在原兼平(歌人)をアリババの股ぐらと言ったり。
まぁ・・・いろいろ酷いですが。

この作者さんのこういう作品読んだことなかったので。
今まではどちらかというとクールなミステリー、ハードボイルドも
あったりという感じだったので、最初は作者のイメージが
ついてきちゃって馴染めませんでしたが、最終的には
楽しく読みました。

「救済のゲーム」 河合莞爾



救済のゲーム 河合莞爾

全米オープンの18番ホールで、ピンフラッグに串刺しとなった死体が発見された。その姿は、インディアン虐殺にまつわる不吉な伝承「神の木の祟り」そっくりだった。痕跡を残さず消えた犯人、連続する串刺し事件……。天才プロゴルファーが、ついに辿りついた切なすぎる真相とは。ゴルファーたちの名誉と誇りが輝きを放つ傑作。

今まで読んだ河合作品とはちょっと違って、外国の人が主人公の話。
ゴルフは若いときに少しだけやったことあるからわかるよっ(・∀・)
ついでに、センスが全然ないこともわかったよ(・∀・)!!
ドライバーがど下手で悲しくなった思い出が・・・(T_T)

ゴルフっていうのは紳士のスポーツってことなので、こういう事も起きたのかなぁ
なんて思ったけど。
唯一審判のいないスポーツだそうです。
紳士はズルをしないってことですね。

ジャックとティムの掛け合いが面白いのと、刑事とジャックの掛け合いも面白かった。
ミステリーとしてはそれほど驚きもないながらも、
犯人の行動には・・・「げーーーーっ」という切ない(←語彙?)気持ちも湧きました。

「スノウ・エンジェル」 河合莞爾



スノウ・エンジェル 河合莞爾

蔓延する違法薬物の陰で進む“完全な麻薬”の開発。犯人5名を“射殺”した元刑事と非合法捜査を厭わぬ女麻薬取締官が潜入捜査で炙り出す、“依存”の闇と驚愕のW計画とは?起こりうる近未来の薬物犯罪を描く、黙示録的警察小説!

「デビル・イン・ヘブン」とリンクしてます。
面白かったよー。
今回は神西がが主役。
あの事件から9年後の設定。
「デビル・イン・ヘブン」はもっと後の設定だからなぁ。
でも、デビル~の方を先に読んでてよかったと思う。
なんとなく、話の筋が通るので。

ずっと気になってたマシューのケガからのあれこれが
スノウ・エンジェルのエピローグでわかるって・・・
どんだけ待たせるんだ。と思いましたが
こういうプロセスを得たのだなと納得です。

スノウ・エンジェル」という強力なドラッグが登場して
それを撲滅させたいという、マトリの女性と神西が
タッグを組んでいくわけですが・・・

売人の信用を得るために、スノウエンジェルを飲用した神西
でしたが、その効果と離脱症状に苦しみます。

物語は二転三転して、気づけば木崎さんがものすごく
先を読む力があるなぁーと。
この人がいなければ・・・ねぇ。
物語の結末が違ってきてました。

「デビル・イン・ヘブン」 河合莞爾



デビル・イン・ヘブン 河合莞爾

雑居ビルから、一人の老人が転落死。現場には「黒い天使」のトランプが落ちていた。刑事・諏訪は犯罪と見て謎を追うが、直後、カジノ特区「聖洲署」への異動命令が!聳えるタワー、巨大歓楽街、謎の自衛集団、死神と呼ばれる男、そして青眼の天才ギャンブラーの伝説ー東京湾に出現した楽園には、地獄の顎が開いていた!

4連休なので一気読み。
この本は一気に読まないと面白くなかったかも。
登場人物は多いし、時代は行ったり来たりするし、
主要人物があっさり殺されるし、
まぁ突っ込みどころはある話ではあるんですが。

生き別れの父親とあっさり出会ってしまったり(^-^;)
なんというか・・・安易な。

マシューの生死が気になってましたが、これは読むところに
よるとそういうことだったのか。賭けに勝ったってこと?

時代は2023年で、この本の中では2020年に東京オリンピックが
行われて、それと同時にカジノも認められたという話です。
それを7月24日に読んでしまった皮肉ww

ラストは納得は・・いかない。
でも、まぁこういう納めかたになるのかなぁ。

で、木崎さんですがほかの本にこういう人いなかったっけ??
何というか、素性がわからんっ!という人。
なんか誰かにダブルような・・・と思いながら読みました。

「燃える水」 河合莞爾



燃える水 河合莞爾

経営危機に直面した中小電機メーカー「ソルケイア」の社員、曾根の遺体が自宅マンションのテラスで発見された。死因は感電死。曾根は自社の太陽光発電装置の開発中に「水が燃えた」と周囲に漏らしていたという。一方、大手メーカーをリストラされソルケイアに中途入社した平原は、人事課長として「ある3人の社員を退職させてほしい」と花園社長から命を受ける。リストラ候補者となった社員と面談を重ねた平原は、やがて3人と曾根との奇妙な関連性に気づく。果たして曾根の死は単なる事故死なのか、それとも殺人か。そして水は、燃えたのかー。

割とあっさり読めました。
個人的にはもう少し重くてもいいんじゃないかと思うんだけどね。
平原が思ったより有能で。
こんなにサクサク解決できるんだったら前の会社クビにならなかったのでは?
なんて思ったり思わなかったり。

水は燃料になるかって話ですね。
水素ではなくあくまでも「水」

しかし・・・プロローグの話の方が気になるといえば気になる。
そっちの解決はなかったのか。
本編の方は出来すぎ感満載で・・・(^^;)
何といったらいいのか。

まぁ会社には恵まれなかったけれど、
いい出会いがあればいいですけどね。
男性のデスクワークは探すの大変そう。

「ダンデライオン」 河合莞爾



ダンデライオン 河合莞爾

東京の山間部、廃牧場のサイロで、16年前に失踪した女子大生・咲の死体が発見される。咲は胸を鉄パイプで貫かれ空中を飛んでいるようだった。翌週には、湾岸の高層ホテル屋上で殺人事件が発生。犯人は空を飛んで逃げたかのように姿を消していた。警視庁捜査第一課の鏑木班は、二つの事件に公安部の影を感じながらも、密かに捜査を進める。やがて、咲がかつて在籍していた「タンポポの会」という環境サークルにたどり着くがー。

これもこの間の「ドラゴンフライ」の盲目の女性という設定をうまく利用したように、双子の女性という設定をうまく利用してました。
まぁ私は気づきましたけど( ̄▽ ̄*)

ただ、百合さんに関してはやりすぎではないだろうか・・・?(設定の話)
当時は学生運動全盛期だったのかなぁ。
なんか、まぁこういう学生沢山いたんだろうなと思いました。

でも面白く読みました。
いけ好かない感アリアリだった姫でしたが、こんな暗すぎる過去があったとは・・・
結構暗くて驚きました。

このシリーズものすごくサクサク読めちゃうんです。
なのでどんどんと読みますが、このシリーズはこれにて未読がなくなりました。
残念。
次は別の本を読みましょう。
チームワークがよくて面白いです。
たまに山勘なのか超能力なのか、はたまた天才なのか、鏑木の推理がものすごいのですが(笑)

「ドラゴンフライ」 河合莞爾



ドラゴンフライ 河合莞爾

多摩川の河川敷で臓器を抜き取られた猟奇死体が発見された。警視庁捜査第一課の警部補・鏑木率いる4人の特別捜査班は、現場に残されたトンボのネックレスを手掛かりに群馬県の奥地の村へ向かう。やがて被害者は村出身の青年・遊介と判明。20年前に起きた夫婦殺害、ダム建設反対運動、巨大トンボ伝説など、事件との関連が次々と明らかになり混迷を極めていく。鏑木班は遊介の幼馴染みである泉美と建のふたりに事情を聴くが…。

鏑木班シリーズ2作目。
お気に入りシリーズです。

ラスト、もう少ししっかり締めてほしかったデス。
ぼやーんとした終わり方でちょっと残念。

でも、目が見えないヒロインという設定を生かした話でした。
面白かった。
盲目の人をナメてはいけないですね。
目が見えないということは、それ以上に視えるワケです。
騙したつもりでいたのに、騙されたふりをしていた。

あぁー。どっちもどっちで悲しい話だ。

鏑木班の捜査方法は当たって砕けろ系ではありましたが、
でもこの4人好きなんだよね。
もう1冊手元にあるので読みます。

「デッドマン」 河合莞爾



デッドマン 河合莞爾

頭部がない死体、胴体がない死体、右手がない死体…。遺体の一部が持ち去られる猟奇殺人事件が6件連続して発生した。捜査が混乱を極める中、ある日本部に1通のメールが届く。僕は継ぎ合わされた死体から蘇った死人です。僕たちを殺した犯人を見つけてくださいー。鏑木警部補率いるクセ者揃いの特捜班が前代未聞の謎に挑む。度肝を抜く結末が待ち構える警察小説新次元!横溝正史ミステリ大賞受賞作.

はじめましての作家さん。

SNSで紹介されてて、私はその人が紹介している本はどれも好みだったので、読んだことなくてもきっと面白いだろうと思い読んだらやっぱり面白かった。
私は自分で「面白かった」というのはできるけれど、人に「これ面白いよ」というのがなかなか出来ないタイプなので羨ましいなぁー。

最初に首なし死体→胴なし死体が登場した時には、「もしやあの作品(←クリック)のパクリか??」と思いましたが。
そこをうまく利用してるんだよねー。
ミステリー好きな人の半分は読んでるであろうあの作品がどうしても頭に浮かぶ。
そういう読者心理を利用しているのであの作品を読んでたとしても読んでなかったとしても、金田一くん読んだとしてもまた楽しめるとは思う。

個人的には正木がなんかいい味出してて好きです。
もちろん主役の鏑木さんもいい感じ。
ケータイの着信音変え方分からなくてそのまま使ってるところとかねw

ちゃんと収めたところに収めたのはすごいなと。
そして、介護猿の名前がカブっていうのもまたうまく使ったなぁー。
続編もあるようなのでそちらも読むのが楽しみ。