igaigaの徒然読書ブログ

読んだ本の感想を気ままに書く読書ブログ。時々映画鑑賞。

5月に読んだ本のまとめ

5月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:4690
ナイス数:533

審議官: 隠蔽捜査9.5審議官: 隠蔽捜査9.5感想
安定の竜崎・・・と、言いながらも厄介な長瀬の対応は意外に感じた。佐藤本部長もそう思ってたようで。そういう変化球も使えるようになったのか。佐藤本部長との関係はよいみたいで何より。そして冴子さん・・・大好きです。
読了日:05月02日 著者:今野 敏


ガウディの遺言ガウディの遺言感想
日本人には解けない謎解きだったなぁと(笑)サクラダ・ファミリア。コロナがないと3年後にはできてたのか!?それはそれで嬉しいような寂しいような。下村さん、最近スペインお好き??
読了日:05月06日 著者:下村 敦史


QED 源氏の神霊 (講談社ノベルス)QED 源氏の神霊 (講談社ノベルス)感想
再読。2回読むと理解度が増えます。今回はタタナナの2人よりも源頼政がなぜ・・・?という所が気になり、読みまして納得。このシリーズはタタナナの2人を満喫するために1回読んで、そして歴史を読むためにもう1回読むのがベストなのかも。しかし高田さんの想像どおりだったらあまりにも切なく辛い。
読了日:05月07日 著者:高田 崇史


ぼんぼん彩句ぼんぼん彩句感想
宮部さんの久々の現代モノ。いじわるな作品の数々ににんまりが止まらない(笑) 「みっちゃん」の話と「春恵」の話が好き。しかし、自分の娘への手紙に「春江」とか書く??ものすごくイヤミじゃない?? ところで、P70は誤字でいいんですかね??ミツルくん、どっから出てきた?と2回読みましたが。アタルくんですよね?
読了日:05月10日 著者:宮部 みゆき


つめたい転校生 (角川文庫)つめたい転校生 (角川文庫)感想
疲れているときに癒される1冊。「はかない薔薇」が好きであります。なんか・・・薔薇が答えるたびに花びらが1枚1枚落ちていくのって目に見えるワケだから・・・切ないよなぁ。
読了日:05月13日 著者:北山 猛邦


令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法感想
最初の動物の話とか現金がなくなるとか、この先ありそうな感じがして怖さを感じました。なさそうでありそうで・・・南極の話は少し意味わからなかったし、どぶろくっていうより、日本酒は市販の方が美味しいのは当たり前かと(笑)
読了日:05月13日 著者:新川 帆立


神様のパズル (ハルキ文庫)神様のパズル (ハルキ文庫)感想
SFっぽくないけれど、SF。途中で物理用語とか出てくるとちんぷんかんぷんではあるものの、ほとんどが大学生の日常。卒論だったり就職だったり、悩める綿貫くんがなんとも・・・途中で田植えから稲刈りまでやっちゃうし、きっと彼はこういう星の元に生まれたのだろうな。
読了日:05月13日 著者:機本 伸司


今だけのあの子 (創元推理文庫)今だけのあの子 (創元推理文庫)感想
どの話も少しずつ繋がっていた。一番好きなのは最初の「届かない招待状」文句なしに号泣。夫の浮気を疑う恵の気持ちも理解できるし、結婚式に呼びたいけど呼べなかった彩音の気持ちもラストに理解できて・・・女の友情(T_T) 次の話も見られたくないものを親友に託すというのはある話だなぁーと。どの話も面白かったです。
読了日:05月14日 著者:芦沢 央


ワンダーランド急行ワンダーランド急行感想
よくある設定のように見せかけておいて、よくあるラストにはならないっていうのが荻原さんかな。てっきり・・・かと思ったそうなの?と。小ネタが多かったものの、一番驚いたのがアメリカ大統領がイーロン・マスク(笑) 荻原作品に登場するお年寄りはいつもクセ強し(・∀・) そして最初から最後まで(これからも?)多田に振り回される野崎さん。
読了日:05月16日 著者:荻原浩


ヘルドッグス 地獄の犬たち (角川文庫)ヘルドッグス 地獄の犬たち (角川文庫)感想
すごい1冊だった。潜入捜査とはいえ、殺しにまで手を染めるなんて・・・愕然。小説ならではと言ったところでしょうが、自分の中でも「兼高」の割合が高くなってきているのが読んでてわかった。ヤクザと警察・・どちらがよりゲスいのか。面白かったです。どっと疲れたけど。
読了日:05月19日 著者:深町 秋生


踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)感想
再読。なんとなく癒されたくて(笑)世界一気弱な探偵音野。犯人はわかったけれど、言うとその人が傷つくから言いたくないとか。気弱モード全開です。アナログ時計だけ盗まれる話は、盲点だったのでちょっと感動しました。
読了日:05月22日 著者:北山 猛邦


殺戮の狂詩曲殺戮の狂詩曲感想
忍野を影で操っている人??っていう言い方でいいのかな。めっちゃ簡単に見つかったけれど、それでわかるかなぁというのが一番不思議っていうか、取ってつけた感じが物凄いあった。それ以外は面白く読みました(あくまでも物語として)。御子柴が一番繊細で一番感情豊かではないだろうか。それを表面に出すことが出来ないだけで。
読了日:05月23日 著者:中山 七里


三国志〈4の巻〉列肆の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)三国志〈4の巻〉列肆の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)感想
呂布亡き今、ちょっと読む気持ちがトーンダウンしたものの、読んでみると張飛と王安の師弟関係とか面白く読みました。まだ三国志の世界観がわからず戸惑ってますが、曹操の強さというか、戦術の強さが際立ってきた感じ。
読了日:05月26日 著者:北方 謙三


老害の人老害の人感想
笑った。なかなか酷いが、やっぱり小説。わが社にいる老害のほうがさらに老害であるという一言に尽きる。まだいいじゃん、福太郎くらいだったら。わが社の老害なんとかしてくれー!と絶叫したい。しかしやっぱり老人はこうなのかと納得する部分もあった。
読了日:05月29日 著者:内館 牧子

読書メーター


・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

5月は毎年の事ながら忙しいので、ゆっくり腰を落ち着けて本を読む・・
なんてことも出来ず。
仕事も家のこともバタバタしているうちに過ぎ去った感じ。

仕事に関しては、団塊の世代が引退したことによって
おきる人手不足を痛感してます。

毎日めまぐるしく働き、めまぐるしく1日が終わって、
気づけば日曜日、気づけば月曜日と。
気絶してるうちに世の中は回っている?と思うくらいです。

毎回、漫画か何かであらすじ知りたいと思っていた「三国志」。
本日限りで30巻まで無料で読めると⇒ebookslapanにて。

え??ちょっと待って??
1日限定?無理(笑)
でも、少しでも読みたいなぁ。
そうすると、北方謙三版三国志の世界観もつかめるかな。

「老害の人」 内館牧子



老害の人 内館牧子

双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、“老害五重奏”は絶好調。「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。



これは笑った。
っていうか、うちの会社にも老害いるんです。聞いてください。
本当に、この本に出ている福太郎なんてまだカワイイものです。

第一、この福太郎は週に2回しか会社に行きません。
わが社の老害は毎日来ます。
ついでにいうと、5時過ぎても帰りません。

福太郎は、きちんとスーツを着て出社します。
わが社の老害は寝て起きてきた格好です。
スウェットで登場します。腰にベルト巻いてます。
冬は防寒のつなぎ着てきます。

そして話は長いし、人の話は聞きません。
最近は耳が聞こえません。
わたしがしゃべるときも叫ばないとダメです。疲れます。
もう少し耳が聞こえたときも、人が話をしてても、
強引に自分の話に戻します。

・・・と、わが社の老害(前社長)の話をしてたら、明日に
なっても終わらず、igaiga最長の記事になりそうなので
ここらでストップ(笑)

この本も確かに老害で、福太郎と春子を合わせたような
うちの会社の老害を思い出しながら読みました。

そのせいか笑っちゃって・・・
やっぱりそうなのかと。
それでも、やっぱりこの本は小説です。
わたしはリアルに毎日老害と接しているのでわかります。
こんなん なるワケがない!

第一、80歳過ぎるとみんな耳が聞こえない。
昔、わが社の老害が同級会とか何とかで1泊旅行したことがあって、
毎年やろうってなったものの、2回目ですでにケンカになった
らしく、毎年やるはずの同級会が2回で終焉を迎えたという・・・

そんな我の強い人ばかりいるはずなのに、
この本の老人たちは割合に素直。
病気自慢、昔の仕事自慢、そのうち死にそうだというすべて
がわが社の老害だなーと思ったら、そういえば何回か
自分の作った俳句を披露されたことがあったなわたし・・・(遠い目)
本当に面白くない俳句で(^^;)
真顔でどうだと言われても困ったことを思い出した。

ってことで、老害の人の感想というか、わが社の老害の感想でした。

「三国志 四の巻 列肆の星」 北方謙三



三国志 北方謙三

宿敵・呂布を倒した曹操は、中原での勢力を揺るぎないものとした。兵力を拡大した曹操に、河北四州を統一した袁紹の三十万の軍と決戦の時が迫る。だが、朝廷内での造反、さらには帝の信頼厚い劉備の存在が、曹操を悩ます。袁術軍の北上に乗じ、ついに曹操に反旗を翻す劉備。父の仇敵黄祖を討つべく、江夏を攻める孫策と周瑜。あらゆる策略を巡らせ、圧倒的な兵力で曹操を追いつめる袁紹。戦国の両雄が激突する官渡の戦いを描く、北方版〈三国志〉待望の第四巻。



呂布亡き後、読むに対してのモチベーションが減りましたが(笑)
それでも、読んでみると張飛と王安の師弟関係とかね、
面白いシーンがたくさんありました。

ラストの袁紹に関しては、こういう上司って令和になってもいそうだよなと(笑)

何回も書きますが、三国志の世界を全く知りません。
何か、「漫画三国志」的なのがあれば手っ取り早く世界観をつかめるのですが、
残念なことにないんだな。わたしの身の回りには。
なので、手探りで読んでるところです。

曹操の強さっていうか、きっとこの人は戦は強くないんだろうな。
戦術的な強さが際立ちました。

逆に劉備サイドはきっと戦に関しては強いのでしょうが、
物事を読む力が今回4の巻に関しては弱かったなという思いです。

買った本 5月22日

後悔していることがあります。
この本を売ってしまったこと。

「きらきらひかる」 江國香織



私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいであるー。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。



BOOKデータベースよりコピペですが、ひどいでしょ。書き方(笑)
この本はわたしの第2次読書ブームに突入させることになった1冊です。


32年ほど前(!?)東京にいたときに、テレビで山瀬まみさんが紹介してました。
当時からミステリ系が好きだったので、それ以外の本を読んでみようと思うようになったキッカケの1冊。
テレビ見てから、蒲田かどっかの本屋さんに行って、買って読みました。


それ以降は本当に読むジャンルが増えて・・・この本・・・単行本で持ってたのになんで売ったんだろう。
結婚することになったから片付けたのかな。
もったいないことをした。


本なんていつ読みたくなるかわからないからやっぱり売らないようにしようと。
この本と宮本輝さんの「オレンジの壺」は本当に単行本のまま持っていたかったと後悔ったら後悔。


まぁ文庫とはいえまた自分の手元に戻ってきたので、あとでじっくりと堪能したいです。

「殺戮の狂詩曲」 中山七里



殺戮の狂詩曲 中山七里

高級老人ホームで発生した、令和最悪の凶悪事件。最低な被疑者の弁護を名乗り出た悪評塗れの弁護士・御子柴礼司が、胸に秘める驚愕の企みとは?



こういう事件ありましたよね。
最近では、年を取ると施設へ入所というのが多くなってきたと思います。
我が家も、姑を施設に入れましたし、近所のお年寄りもそういう人が多いみたい。
昔と違って女性も会社員が多い今、一日中、何をするかわからない年寄りの介護というのはかなりきついと思います。

そんな施設に入所した老人たちを「天国へ送る」という名の元、殺した被告。
で、弁護に御子柴。
普通だったらやらないだろう案件を受けたのはなぜか。

一貫して、自分は正義のために~とか、天国へ送るために~という供述を繰り返す忍野。
その都度、したためる御子柴。
いつもと雰囲気が違いましたが、その謎はラストに。

御子柴が一番繊細で感性が豊かで感情的なのではないか。
それをあえて押し込めて表面に出さないようにしている感じがします。

ただ、忍野を影で操ってた??っていう言い方でいいのか悪いのか。
その人が誰かというのはあまりにも安易すぎてどうなのかと思った。

「踊るジョーカー」(再読) 北山猛邦



踊るジョーカー 北山猛邦


類稀な推理力を持つ友人の音野順のため、推理作家の白瀬白夜は仕事場の一角に探偵事務所を開設する。しかし当の音野は放っておくと暗いところへ暗いところへと逃げ込んでしまう、世界一気弱な名探偵だった。依頼人から持ち込まれた事件を解決するため、音野は白瀬に無理矢理引っ張り出され、おそるおそる事件現場に向かう。新世代ミステリの旗手が贈るユーモア・ミステリ第一弾。

目次(「BOOK」データベースより)
踊るジョーカー/時間泥棒/見えないダイイング・メッセージ/毒入りバレンタイン・チョコ/ゆきだるまが殺しにやってくる



ヘルドッグスで疲れ切った脳を癒したかったので。
世界一気弱な探偵。
部屋の隅にじっとうずくまり、謎は解けるものの、
披露したくない。外に行きたくない。
さらに、依頼人とお話できない。
などなど、かなり探偵が厄介(笑)

「毒入りバレンタインチョコ」なんて、モロ物理。
北山さん、お得意分野と呼ばれてますが、
物理・・・難しいよねー(笑)

でも、多分仕組みがわかれば物理ほど楽しいものは
ないと思うのです。理数系は答えがしっかりしているからね。
ただ、そこまでたどり着けない・・・(TдT)

個人的には「時間泥棒」が好きです。
アナログ時計だけ盗まれる謎・・・
確かになぁ。と納得したので。
これは物理分からなくてもわかるからだと思う(笑)

「ヘルドッグス」 深町秋生



ヘルドッグス 深町秋生

「警察官の俺に、人が殺せるのか?」関東最大の暴力団・東鞘会の若頭補佐・兼高昭吾は、抗争相手を潜伏先の沖縄で殺害した。だが兼高はその夜、ホテルで懊悩する。彼は密命を帯びた警視庁組対部の潜入捜査官だったのだ。折しも東鞘会では後継をめぐる抗争の末、七代目会長に就任した十朱が台頭していた。警視庁を揺るがす“秘密”を握る十朱に、兼高は死と隣り合わせの接近を図るが…。規格外の警察小説にして注目の代表作。



すごい本でした。

岡田くんで映画化されてます。
相棒は坂口健太郎くんです。

小説ならではと言ったところでしょうが、
潜入捜査でヤクザの上層部に信頼してもらうために人殺しまでする。
唖然としてしまいました。
その前に整形と入れ墨もしています。

この本で、坂口健太郎演じる室岡くんは人を殺しても、
そのあとすぐに焼肉を食べられるようなキラーのようです。
普段はニコニコしてますが、殺人は得意みたい。

なんとなく、こういう人物像って前に京極さんの「ひとごろし」
という小説があったのですが、それに登場する
沖田総司まんまだなと思いました(^^;)

だんだんとヤクザ世界に浸透していく兼高。
ヤクザと警察・・・どっちがゲスいかなと思ったわけで・・・

また他の人の小説の話ですが、浅田次郎さんの
プリズンホテルでも、温泉旅館に行ってもヤクザは行儀がよい。
逆に警察や教師は無礼講になりすぎて酷いことになる
なんてありました。

ただ、いったん殺し合いになるとやっぱりヤクザか・・・

などなど、兼高は最後警察に戻れるのか、それともヤクザの道に
行ってしまうのか。
かなり気になりながら読みました。

読んだ後も疲労感が残りました。
気の毒すぎて。

「ワンダーランド急行」 荻原浩



ワンダーランド急行 荻原浩

ある朝、通勤と反対方向の電車に、魔が差して乗ってしまった。山の中をさまよい、戻ってくると、誰もマスクをしていない!似ているが…ここは私の世界じゃない。コロナ禍の行動制限中に日経連載。迷い込んだ異世界が現実を先取り?



新作は久しぶり。

異世界へ行ってしまうという話なんだけれど、
スタートはありがちな話から始まるものの、
ゴールは予想外が多い荻原作品です。

途中の小ネタが多いのと、あとは、BOOKデータベースでもあるように
「迷い込んだ異世界が現実を先取り?」という表現が
結構ユニークに感じました。

だってねぇ、この本の中ではアメリカ大統領がイーロン・マスク(笑)

ちょうどこれ書いているとき、ツイッター買収とかどうのこうの
ってあったのかも。

あと、牛肉のない世界。
明らかに牛丼チェーン店の店構えながらも、
売っているものは「ラム丼」

「思想警察」っていうのは、この先本当にありそうで・・
って、今も似たようなのはあるような。
SNSって反響多いしね。

ラストには思わず驚いたっていうか、足元すくわれた
っていうか・・・
「えーーー??」と思ったけれど。

どこの世界に行っても、多田さんの影響力は大きく、
異世界ではない元の世界の多田が一番まともだったという(笑)

「今だけのあの子」 芦沢央



今だけのあの子 芦沢央

新婦とは一番の親友だと思っていたのに。大学の同じグループの女子で、どうして私だけ結婚式に招かれないの…(「届かない招待状」)。環境が変わると友人関係も変化する。「あの子は私の友達?」心の裡にふと芽生えた嫉妬や違和感が積み重なり、友情は不信感へと変わった。「女の友情」に潜む秘密が明かされたとき、驚くべき真相と人間の素顔が浮かぶ、傑作ミステリ短篇集全五篇。

目次
届かない招待状/帰らない理由/答えない子ども/願わない少女/正しくない言葉



面白かったです。
テーマは女の友情でもあり、少しずつ細い線で繋がっている話。
これは、少しは繋がっていることには気づいたものの、
全作品がそうだとは分からなかった。

一番好きなのは「届かない招待状」
これは、どっちも可哀想。
それでも、半分意地で言った結婚式で真相が分かり、
そして号泣しました。
そういう事だったのか!と。

他の作品もいい感じです。
「帰らない理由」というのも、真相が分かれば気持ちが
とても分かる。
っていうか、これは分かりすぎるな(笑)

「正しくない言葉」は、老夫婦2人で老人ホームに入った
ものの、夫に先立たれ、それほど社交的ではない妻が
一人暮らしていって・・・っていう話ですが、亡くなったとは
いえ、ダンナさまが素晴らしくて。
ちゃんと、こうしたフォローをしてくれる人って素晴らしいと
思います。

他2作品も面白かったですが、女の友情がテーマですが
男性のフォローがとてもよいから??と思った。
特に「答えないこども」に出てきた雅之が、しっかりとした
考え方で、なのでこじれることなく終わったのかな。

「神様のパズル」 機本伸司



神様のパズル 機本伸司

留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…。第三回小松左京賞受賞作。



面白く読みました。
SFかと思いきや、それほどガチガチのSFでもなく。
どちらかというと、大学生の日常的な感じ。
卒論あったり、就職活動あったり、
その中で、宇宙は作れるかという壮大すぎるテーマ。

飛び級で不登校(?)の天才学生穂瑞と一緒に
「宇宙は作れる」チームで奮闘するものの、
そこに、なぜか田植え問題が登場したり。
ボランティアで田植えのアルバイトをすることになった綿貫。

こんな優しい学生っているんだなーと
なんか、泣きそうになりましたが(笑)

綿貫がひそかに想いを寄せている保積さんに関しては、
保積さんはほんとーーーに綿貫に関してはこれっぽっちも
眼中になかったな(笑)

ラストには驚いたものの、大学生の自由さとか
無限さを知った感じがしました。

ただ、宇宙というものを真剣に考えると、考えすぎて
お腹が痛くなるタイプです。
だってねー、わたし(igaiga)がこの世に存在する前から
あったとか、その前は地球がなかったとか、
そういう事を考えすぎると息苦しくなります。
難しく考えるタイプです(・ω・)